OpenLayersを使って平面直角座標系で表示する

はじめに

一般的にWebGISでは、世界中のどの地域でもシームレスに利用できる便利さから、グーグルや国土地理院の採用しているWebメルカトル(EPSG:3857)が採用されるケースが多いが、図形の誤差が大きいといったデメリットがある。

一方、自治体で保有している図形データは、狭い範囲ではあるが、図形データの誤差が少ないことから平面直角座標系(EPSG:2443~2461)が採用されることが多い、そのため、自治体の保有している図形データを、より正確にWebGISを表現するには、平面直角座標系で表示することが望ましい。

そこで、今回は、平面直角座標系のデータをOpenLayersで表示してみた。

処理概要は以下の通り

・proj4jsの導入
・平面直角座標系の定義
・各レイヤの設定

proj4jsの導入

下記のサイトに移動し、最新のライブラリのURLをダウンロードする。
https://cdnjs.com/libraries/proj4js

適当な位置に、proj4.jsを置き、読み込む。

平面直角座標系の定義

proj4jsのデフォルト値では、平面直角座標系のコードが定義されていないので、プログラムの最初に、使用する平面直角座標系の定義を設定する。

各レイヤの設定

各レイヤに平面直角座標系のコードを設定する。

表示確認

平面直角座標系のデータが表示されているのが分かる。

ちなみに、OpenLayersでは、図形レイヤ(ol.source.Vector)だけでなく、タイルレイヤ(ol.layer.Tile)も平面直角座標系で表示される。平面直角座標系の確認のために、地理タイルを最縮小表示してみた。


Webメルカトルと異なり、図形が大きく歪んでいることが確認できる。

まとめ

OpenLayersで平面直角座標系で表示するには、proj4jsの導入とコード定義だけで簡単に実装できることが分かった。

また、平面直角座標系でも、これまでWebGISで使用してきたように、OSM(オープンストリートマップ)や地理院タイルなどのタイルレイヤが背景図として利用できるのが素晴らしいので、積極的に使っていこうと思う。

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